宮部みゆきの「模倣犯」の9年後という作品で、
ハードカバーのときから期待していた。。。
文庫になり・・・古本屋に並ぶのを待ってゲット。
上下巻で一冊分の値段でした。
予想としては、模倣犯の犯人の裁判記録で始まるものと
思っていた私には、意外なストーリー。
9年の重みと、9年たてばこその人間模様。
過去の栄光?で有名化した前畑滋子の現実との折り合いのつけ方。
100%の答えなどないことを思い知るために、
納得、妥協、言葉では言い表せられない。。。
この奥深さを表現できる数少ない作家なのかもしれない。
9年もたってないものの・・・
模倣犯から、楽園まで、ハードカバーを横目に見つつ・・・
いろいろな想像をしていた時間も含めてこの本を楽しんだ。
表面に出ない、ちらちらと影のように模倣犯網川が・・・
期待に期待を持ちつつ・・・
網川が後悔したり、ざんげしたり・・・もっと陰湿になったり、
何かしら不幸になっていることを望むのは、もしかしたら、
性善説や平等であってほしい、誠実な人は幸せになって
ほしいという願いかもしれない。
模倣犯とあわせると文庫(400ページ以上の)でも8冊にもなる
大作になるが、読み応えは保障できる。